Windows 10版PowerToys、強力リネームツール「PowerRename」を搭載した新バージョン登場
以前こちらのサイトで紹介したWindows 10向け、OS機能の「サプリメントツール」的なポジションのソフト「PowerToys」がバージョンアップして、また一つ新しい強力な機能が使えるようになりました。
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今回追加の機能は超高機能リネームツール「PowerRename」
まずバージョン0.12で追加になった新機能を簡単に説明しておきましょう。
今回公開された新機能は「PowerRename」と名付けられていて、名前の通りファイルやフォルダの名前を一括して変更できる非常に強力なツールです。
「正規表現」を用いた高度なパターンマッチを駆使して条件に合致するファイル名のみいっぺんに修正することができます。
多くのユーザーがその恩恵にあずかる、と言う機能ではないとは思いますが、Webサイトの管理者やソフトウェア開発者など、一定の名付けのルールに従った大量のファイルを管理しないといけないユーザーには「刺さる」可能性が高い新機能です。
では以下で使い方を説明します。
まずは「PowerToys」のインストールから。
PowerToysのインストール
PowerToysはマイクロソフトが主導する形ではありますが、オープンソースのソフトウェアの開発の拠点の一つになっているGitHubを使って管理が行なわれています。
実行可能なバイナリファイル、インストーラーもGitHub上で公開されています。
インストールは以下のページから「.msi」の拡張子を持つインストーラーを導入するのが一番楽です。
↓PowerToysダウンロード
https://github.com/microsoft/PowerToys/releases
今回取り上げる新機能はバージョン0.12で公開されましたがその後すぐにバグフィックスでバージョンが上がったようで、2019年11月9日時点の最新バージョンは0.13になっています。
少しページを下にスクロールして「Assets」の中の「PowerToysSetup.msi」をダウンロードして実行しましょう。
インストーラーを起動すると次のウィンドウが開きます。「Next」ボタンをクリックして次に進みます。
MITライセンス条項が表示されます。問題がなければこちらでも「Next」ボタンをクリック。
次にインストール先のディレクトリを指定します。通常はデフォルトの設定のままで大丈夫です。
以上でインストールの設定は完了ですので、次のウィンドウで「Install」のボタンをクリックしてプログラムをセットアップさせましょう。
インストールが完了した次のウィンドウに表示が切り替わります。
「Finish」をクリックしてインストーラーを終了させます。
以上でインストールは完了です。規定の設定をそのまま使っていれば、インストーラーを終了させるとPowerToysが起動して次回Windows 10の起動時にも自動起動する設定になります。
PowerRenameの使い方
PowerRenameは(ファイル)エクスプローラーにシェル統合される形になって、簡単に呼び出せるようになります。具体的には右クリックメニューから起動できます。
まずファイルやフォルダを選択した状態で
右クリックメニューを表示させるとそこに「PowerRename」のコマンドがあるはずですから、そちらを選択します。
するとPowerRenameのウィンドウが開きますので、こちらから各種操作を行ないます。
ここからの操作のイメージはテキストエディタで文字列の置換を行なう時の感触を想像すると比較的操作感が分りやすいと思います。
「Search for:」のフィールドに変更したいファイル名の部分を指定すると、これが検索文字列のように働きます。
このケースで「b0」と入力するとそれに合致する部分を持つファイルの修正後のイメージが「Preview」と書かれたフレーム内に表示されます。
「Search for:」だけを指定した状態だと変更後の文字列になる「Replace with:」のフィールドが空ですので、その分だけファイル名が詰まった形のプレビューイメージになります。
次に「Replace with:」のフィールドに変更後のファイル名の一部を入力すると、Previewのフィールドに該当ファイルの修正後の名前が表示されます。
このあと、下にある「Rename」ボタンを押して初めて実際のファイル名の変更が実行されます。
PowerRenameが強力なのは正規表現などを使ったかなり複雑なファイル名のマッチングが可能な上に、事前に変更後のファイル名をプレビューすることができて誤ったファイル名への変更を実行してしまうリスクがとても少なくなっていることです。
さらに(ファイル)エクスプローラーのアンドゥ機能が使えるようになっていますので、もしファイル名の変更に失敗したことに気づいたらCtrl+Zでファイル名を元に戻せます。
ここまでがPowerRenameの基本操作です。既に名前に「Power」とつく理由の一つが分ってもらえたのではないでしょうか。
より詳細な機能
PowerRenameの機能のより詳細な部分を見てみます。
まずパターンマッチと言えば世の中の標準はこれ、と言われる「正規表現」機能です。「Options」のチェックボックスのうち「Use Regular Expressions」にチェックを付けるとこの機能が有効になります。
いくつかのパターンマッチ用の制御文字を活用して非常に高度な検索が行えるようになっています。
「Case Sensitive」はファイル名・フォルダ名の大文字/小文字を別扱いとするかどうか。デフォルトでは大文字/小文字を無視するようになっていますので、識別させたいときにはこれにチェックを入れましょう。
「Exclude Files」はリネームの対象をフォルダのみに限定します。また「Exclude Folders」は逆にファイルのみを対象にする機能です。
「Enumerate Items」のオプションを使用するとファイル名の後ろに「(連番)」という形式の番号が振られます。
「Item Name Only」にチェックを入れるとファイル名本体のみがリネーム対象になって、「Item Extension Only」を使うと拡張子のみを修正するモードになります。
本当にかゆいところに手が届く、リネームでできないことがなさそうなぐらいに強力なツールに仕上がっています。
万人が求めるタイプの機能ではありませんが、必要な人は非常に強力にサポートしてくれる機能になるのではないかと思います。
現在、著者の手元では非常に安定して動いていて既に十分に実用域に達していると思いますが、まだ正式リリース版ではなくあくまでβ版ぐらいの扱いですので環境によっては安定して動かないこともあり得ます。
そちらはちょっと意識しておきましょう。