Microsoft 365の一般ユーザー向けプラン登場。でも実際の中身は
これまでビジネスユーザー向けには、Windows 10とOffice 365のサービスをまとめてサブスクリプション制で利用可能にするMicrosoft 365の仕組みが動いていました。
このブランドが一般ユーザー向けにも開放されることとなりました。現地時間の3月30日、米Microsoftがネットワーク経由の会見で発表を行ないました。
が、一つ注意しなければならないサービス内容の大きな相違点があります。個人向けMicrosoft 365には「Windows 10のライセンスは含まれない」点です。
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アメリカでのプラン
アメリカ版の個人向けMicrosoft 365には二つのプランが準備されています。
1つは本当の個人向けのMicrosoft 365 Personalで、1ユーザーが5デバイスまで利用可能なプラン。日本でのOffice 365 Soloに近い内容です。利用料金は月額6.99ドル。
もう一つのプランは家族向けのもので Microsoft 365 Family。最大6ユーザーが利用可能で月額9.99ドルで利用できます。
これらのプランが日本で提供されているOffice 365と大きく異なっているのは「商用利用が不可」という点です。
かなりリーズナブルな価格設定ですがビジネスユーザーが使うことは事実上ほぼ不可能なライセンスで、日本ではPCなどへの利用権バンドルにほぼ使えない内容となっています。
日本展開は?
これを受けて日本では個人向けMicrosoft 365も独自のライセンス内容を持つプランとしてサービスが行なわれる形になるようです。
具体的にはほぼ完全にMicrosoft 365のサービスがOffice 365の後継のポジションに収まりそう、と言うことになります。
Microsoft 365 Personalと利用条件が近い、1ユーザーがインストール台数無制限、同時利用5デバイスまで、というOffice 365 Soloの「リブランド」のようなイメージになるでしょうか。
日本独自の事情に合わせきちんと商用利用も可能なライセンスとなるようです。厳密にはアメリカ国内版のMicrosoft 365 Personalとはサービス内容が異なりますので、Microsoft 365 Soloみたいな日本独自の商品名がつけられるのかもしれません。
価格の方は現在のOffice 365 Soloと全く同じ。使える機能は一部拡張される形になります。
これにより、Microsoft 365 Personal(と同等のサービス)がOffice 365 Soloの完全な後継サービスと位置づけられ、日本国内でMicrosoft 365 Personalのサービスが開始になったときにはOffice 365 Soloユーザーの契約はそのままMicrosoft 365サービスに引き継がれることになります。
追加機能は?
個人向けのMicrosoft 365サービスでは既存のOffice 365 Soloからいくつか機能の追加が行なわれます。
一つは新Edgeなどで拡張機能として利用できる「Microsoft Editor」。文法やスペルのチェックなどをAIが行なって文章の校正作業をサポートしてくれるツールです。
もう一つはExcelの拡張機能として利用できる「Money in Excel」。銀行口座やクレジットカードの利用状況などとオンラインでリンクして情報を集約可能な「家計簿」機能です。
こちらは日本で利用可能になる時期はまだ明らかになっていません。まずは今後数ヶ月以内を目処にアメリカでのサービス開始を目指すことになっています。
三つ目として個人ユーザー向けのTeamsがラインアップされています。TeamsはチャットベースのビジネスコラボレーションツールとしてCOVID-19禍の中で大きく注目を集めていますが、その機能が一般ユーザーにも開放されることになっています。
その他のOneDrive利用権やSkypeの有料通話料金のチャージなどはOffice 365 Soloと同等で、乗り換えも全く問題なく行えるはずです。
日本でMicrosoft 365サービスがスタートした際には自動的にライセンスも引き継ぐ形で更新される予定です。