今のMSを象徴する端末。Android採用の2画面スマホSurface Duo
マイクロソフトはパソコンのOSでは圧倒的なシェアを持ち続けていますが、スマートフォンの市場では大きな影響力を持つに至りませんでした。
何度かチャレンジはしていますが、パソコン用Windows 10との親和性を大きく高めたWindows 10 Mobileでも結局上手くはいきませんでした。
そのマイクロソフトがスマートフォンをあきらめていないことを示すデバイスが来年末に発売される可能性が高くなってきました。10月2日にマイクロソフトが一気にまとめて発表した新製品群の中に、ユニークなフィーチャーを持つスマートフォン「Surface Duo」が含まれていたのです。
さらにちょっと驚くのは、Surface DuoがOSとしてAndroidを採用しているところ。
さまざまなポイントでWindowsへの依存度を自ら小さくしてきているマイクロソフトの現時点でのスタンスを、ある意味如実に示すデバイスと言えるかもしれません。
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今見えているスペック
Surface Duoの今時点で見えているスペックをまとめてみましょう。
まず最も特徴的なのが360度フリップ可能な2画面を持つ端末であること。
折り曲げ可能な有機ELの特性を活かした1画面で折りたたみできる端末が話題になっていますが、マイクロソフトはそちらのアプローチは選択しませんでした。
5.6型の(恐らく)アスペクト比2:3のディスプレイを2枚備え、しっかりとしたヒンジを持つ2画面端末として仕上げています。
現時点での内容を見る限り、マイクロソフトはこの2画面を1枚の大きめのディスプレイとして使うことよりも、2枚の画面であることをより前面に打ち出す形で活用、より高い生産性を実現するツールにすることを考えているようです。
デモ機ではSoCにはSnapdragon系のハイエンドチップが使われているようです。
その他、メインメモリやストレージの容量などは不明ですが、Surfaceシリーズのポジション的にハイエンド級の容量を用意してくるであろうことは想像できます。
フレキシブルになった今のMSを端的に示すデバイス
Surface Duoは今のマイクロソフトのスタンスを表すとてもいいアイコンになっているのではないかと思います。
同時に発表されたSurfaceシリーズのパソコンでは、x64アーキテクチャのCPUでもインテル一辺倒の製品構成をやめ評判の良いAMDのRyzenシリーズの採用を行なっています。
また、マイクロソフト自らがWoAデバイスに手を出し、恐らくクアルコムとの協業により独自のArm系SoCまで開発しました。
さらにSurface Duoではデジタルデバイスの重要なキーとなるOSにAndroidを選択するという、驚きの構成を取っています。
スマホ向けWindows 10の終息を決めてからマイクロソフトは積極的にAndroidへのさまざまな展開を行なっていますが、それでもSurfaceシリーズに他社製OSを採用するのはかなりの驚きでした。
今後は他社製OSを使ってもSurfaceシリーズならではのエクスペリエンスを提供できるかどうかに注目が集まるでしょう。
2画面を活用するためにはOSやアプリの対応が必須、とも予想されていますが、それらにあまり依存しないミドルウェアレイヤをマイクロソフトが提供するのかもしれません。
そういった部分も含め、Surface Duoは今後のマイクロソフトの進む道の一つを示す鍵となるデバイスになるかもしれません。
Windows 10X搭載機は??
こちらは著者の個人的な希望になりますが、せっかく2画面デバイスに特化したWindows 10Xをリリースするのですから、Surface DuoのWindows 10Xモデルにもちょっぴり期待をしたいです。
実際にはSoCの性能面などの問題から実現には相当高いハードルがあることは理解できますが、このサイズでフルセットのWindowsが動作するのはモバイル系のガジェットマニアには一つの理想形みたいなものです。
UMPCの一つの究極形になると思うのですが、どうでしょうマイクロソフト様。