MS独自SoCを搭載したWoAデバイス「Surfce Pro X」登場へ
大きな話題にはなったもののなかなか普及が進んでいるようには見えないWindows on Armデバイス、その市場にマイクロソフト自らが乗り出すようです。
独自SoCとされる「Microsoft SQ1」を搭載したSurface Pro Xの発売を、現地時間10月2日に米マイクロソフトがアナウンスしました。
この新PCの中身をちょっと確認してみます。
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Snapdragonベース?
新SoCのMicrosoft SQ1は完全に独自のArm系SoCではなく、クアルコムとの共同開発となるチップです。
恐らくはクアルコムがPC向けと銘打って開発を行なったSnapdragon 8cxの流れを汲むチップになっているのではないかと思われます。源流をたどれば、今のハイエンドスマートフォンで使われるSnapdragon 850の血統を引くチップとも言えるでしょう。
ただし、SoCに統合されているCPU部もGPU部もある程度の強化は行なわれていると思われます。
CPU部は8コア、GPU部はマイクロソフトが2TFLOPS級と発表を行なっています。
非常に高い電力効率を実現
PCの核となるSoCにArm系のものを搭載したため、Surface Pro Xでは非常に高い電力効率が実現されているところが特徴になります。
ワットあたり性能ではSurface Pro 6の3倍の性能があるとマイクロソフトでは発表を行なっています。
Armアーキテクチャを採用したSoCの最大のストロングポイントがこの電力効率の高さですね。
ただ、パソコンの世界ではモバイル機でも今までは完全に電力効率にフォーカスした性能よりも、コンピューティングパワーの絶対値を求められるケースが多くなっていたと思います。
そういうPCを取り巻く環境の中では、Surface Pro Xもどれだけの絶対性能が発揮できるかが注目されることになると思います。
Snapdragon 8cxでも純粋なCPU性能は決して低いわけではなく、現状のWoAデバイスではその性能をフルに発揮できる環境が整っていない、と言うのも今時点でのWoAデバイスの普及を抑制してしまっている原因の一つです。
Surface Pro Xの登場でそのあたりの流れが変わるのかも注目したいところです。
スペック
Surface Pro Xは13型で2,880 x 1,920ドットのアスペクト比2:3のディスプレイを搭載しています。
Surfaceシリーズとしては初の狭額縁設計となっているため、ディスプレイサイズが大きくなっているにもかかわらずフットプリントは従来のSurface Proシリーズよりも小さくまとめられているのも特徴です。
メインメモリは8GBまたは16GB、ストレージは128GB〜512GBのSSDがチョイスできます。
SnapdragonベースのSoCですから当然LTEモデムを内蔵していてかなり幅広いバンドに対応可能になっています。
無線LANはWi-Fi 5までの対応となります。
外部インタフェースポートはUSB3.1 Gen1 x 2に進化。USB PDに対応していて、USB Type-Cコネクタ経由での充電にも対応します。
Surface Pro Xも含むWoA、WoSデバイスが本来の性能を発揮してすべてのシーンで「サクサク」な操作感を実現するには、ソフトウェア側のArmアーキテクチャCPUへのネイティブ対応も必須になります。
この辺りのエコシステムの変化がこの機種の登場で加速されるかどうかにも注目しましょう。