初のSnapdragon 8cx搭載マシンがサムスンから。Galaxy Book S登場へ
現地時間の8月7日、ニューヨークで行なわれたサムスンのプライベートイベント、Samsung Galaxy UNPACKED 2019で世界初となるSnapdragon 8cx搭載Windows 10マシンが発表されました。
13型液晶を搭載したノートPC、Galaxy Book Sです。
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非常に薄い筐体を実現してスタイラスペン対応のタッチパネルを搭載していますが、かなりスタンダードなクラムシェルタイプのモバイルノートパソコンとして仕上げられています。
Snapdragon 8cx
Galaxy Book Sは明確にPC用と銘打って開発されたArmアーキテクチャCPUを搭載するSnadragon、8cxをSoCに採用したWindows 10マシンです。
Snapdragon 8cxはアーキテクチャなどはスマートフォン用のSoC、Snapdragon 850などの流れを受け継ぐパッケージです。タブレット向けのTDPではなくノートPC向けのいわゆるUプロセッサクラスのTDPを設定することで、Windows PCとしてふさわしい性能を目指しています。
さらにストレージにはスマートフォンなどで使われるUFS系のデバイスだけではなく、NVMe対応SSDなども接続可能としています。
Arm版Windows 10の環境では、OS自体や一部のアプリはArmネイティブな環境で動作しますが、多くのオフィスソフトやサードパーティ製アプリはWin32バイナリのままです。
このためエミュレーションで動く部分が必ず出てくるため実際の使用シーンでは性能面のハンデがあります。その際の使用感を少しでも上げるためにより高いCPU性能が必須です。
Snapdragon 8cxはそのためのSoCです。
スペック
Galaxy Book Sはメインメモリとして8GBを搭載。内蔵ストレージはUFS2.1接続のSSDを256GBまたは512GBから選択出来ます。ここは出来ればSATA3接続かNVMe対応のSSDを採用して欲しかったところです。
ディスプレイは13.3型のIPS液晶でフルHD解像度のもの。
かなりの狭額縁設計でフットプリントは305.2mm x 203.2mmとかなりコンパクトな仕上がりになっています。厚みももっとも厚い場所でも11.8mmと非常にスリム。ビジネスバッグへの収まりもとても良さそうです。
重量の方は0.96kg。十分軽いのですが、最近は非常に軽量なモバイルノートパソコンが増えたため、突出したスペックではなくなってしまっています。
Wi-FiはIEEE802.11acまでの対応に留まっていて最新のIEEE802.11axに対応していないところはちょっと残念ですが、その代わりと言ってはなんですがLTE対応のWANモジュールを搭載しています。使えるSIMカードはNano SIMタイプです。
内蔵バッテリーの容量は42Whと大容量とは言えないものですが、Snapdragonシリーズの消費電力の少なさは継承されているようで、バッテリー駆動時間は最大23時間を実現しています。
WoSデバイスならではの特徴を出せるか
現在のWindows 10の環境ではWoSデバイスには使用感の面でまだまだハンデキャップがあります。そこを埋め合わせ、さらにそれを上回る魅力を発揮出来るかどうか、Galaxy Book Sはその動きに注目したいデバイスになるかもしれません。
価格は999ドルからと、同クラスのx64、x86アーキテクチャのCPUを搭載するPCとあまり差がなくなっている感じです。
ここもWoSデバイス普及に影響を与えそうです。