Windows 10、次のバージョンは1903。煮詰まってきた次期大規模アップデート
Windows 10のインサイダープレビュー版は順次新しい要素が投入され続けています。ただ、次回の大規模アップデートでは目玉となるような大きな新機能の導入はなさそうです。ここまでに大規模な新機能の投入はありません。
次の大きな新機能の候補としてはSetsがありましたが完全に姿を消してしまった感じです。復活する気配もありません。
このため2019年3月から4月にかけて解放されることになると思われる次期大規模アップデートは各所の使い勝手向上がメインになりそうな気配です。
大きな変更がない分、使い勝手などの向上が施されるポイントは非常に多岐にわたります。逆に言うと機能的な面はある程度目新しいものを実装できて、一度立ち止まって完成度を上げる余裕が出来た、ということなのかもしれません。
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バージョンは2019年3月版で1903
Windows 10のバージョン番号はOSの内容がFIXした年月そのものを使っています。今の正式版のほうは昨年9月に内容がFIXされたので2018年9月から「1809」になっています。
次のバージョンは1903で決まりとなったようです。最新のプレビュー版のwinverコマンドで確認するとこのような形になっています。
設定アプリ関連
今回非常に目立つ改善点のひとつは設定アプリのトップページのレイアウトの変更かもしれません。サインイン中のアカウント関連の情報を表示するヘッダーが追加になっています。
サインインオプションの設定画面も見直されています。かなり見やすく整理されていて、Windows Helloの設定やPINの設定などが直観的に選べるようになりました。
また、次期バージョンでもアクセシビリティ関連の強化は継続して行なわれます。
Windows 10オリジナルの読み上げ機能であるナレーターはWindows 10リリース時からずっと強化が行なわれてきています。
親族にこの機能が必要になった人がおり、そういった人たちにはナレーターの機能性が本当の意味でPC使用時の命綱になることを実感しています。その意味でもマイクロソフトにも今後ともぜひ頑張ってもらいたいところです。
設定のわかりやすさの改善の点ではカーソルとポインターのページが改善され、設定がより直観的に行えるようになりました。加えてポインターの色の変更も出来るようになりました。
次はどちらかというとエクスプローラーの検索機能の改善の方が近いかもしれませんが、検索機能に「拡張検索」が追加になっています。検索のページも追加になってそこに設定関連機能が集約されています。
より詳細に検索関連の設定を行うことが出来るようになりました。
サウンドミキサーの機能をより強化した音の再生関連のページも設定アプリに追加になっています。
連綿と使い続けられてきたサウンドミキサーの機能を超える内容が含まれています。
一度プレビュー版のあるバージョンでは、タスクバーの通知領域のサウンドのアイコン右クリックで表示されるメニューからサウンドミキサーへのリンクが消えたのですが、最新バージョンでは復活しています。
正式版でどちらへのリンクが有効になるかは今のところ不明。リリースを待つしかなさそうです。
スタートメニュー周辺のUI改善
変更が行なわれ続けているので逆にそれで戸惑うユーザーが出る部分かもしれませんが、スタートメニューにはさらにまた改善が行なわれています。
使い勝手に関する評価についてはユーザーごとにかなり個人差があると思いますが、著者個人としてはかなり洗練されてきて見やすく、使いやすくなっている印象です。少なくとも著者の使用方法には上手くフィットしてくれています。
細かな改善かもしれませんが、スタートメニューの左端のアイコンの列にポインターを重ねると説明の文字を表示する形に列の幅が広がり、クリックもやりやすくなっています。
電源関連のボタンをクリックしたときに表示される選択肢にも説明と分りやすいアイコンが付けられるようになりました。
タイルを表示するエリアでは、フォルダーごとまとめてタイルを削除する機能が追加されています。
これにより不要なタイルをいっぺんに掃除してスタートメニューをシンプルな表示にすることも出来ます。
また、スタートメニューの動作の安定化を図るため、スタートメニューのプロセスが分離され独立して稼働するようになります。
アクションセンター関連の改善
通知やすぐに設定を変更したい機能をまとめて管理しているアクションセンター、こちらのインタフェースにも改善の手が入ります。
従来のアクションセンターでも画面の明るさを大まかに変更することは可能でしたが、より詳細な設定が可能なスライダーが追加されます。
さらにアクションセンターに表示する設定用の各種ボタンの並びや表示/非表示のカスタマイズをアクションセンターから直接行えるようになっています。
こちらはアクションセンターを右クリックして表示されるメニューから機能を選択すればOK。設定アプリから設定用のページをたどる必要がなく、調整作業はかなりお手軽になります。
絵文字パネル強化
絵文字を入力するための絵文字パネルが強化されています。
起動はWindowsキー+.(ピリオド)で、従来の絵文字、
日本で独自発達したものを含むアスキーアート的な顔文字、
記号の一発入力が可能になっています。
テーマ関連の強化
最近のWindows 10のみならず、いろいろなOSの画面の雰囲気を調整するテーマではダークテーマ推しがトレンドのようです。Windows 10でもエクスプローラーや付箋アプリのダークテーマ対応がより進化してきています。
それに加えて次のバージョンではまったく逆方向となるライトテーマも導入され、そちらへの各種アプリの対応も少しずつ進んでいるようです。
確かにダークテーマはクールなイメージでカッコイイ雰囲気を作れますが、外でPCを使うときなど環境光の照度が高いときには見にくいケースもありそうです。
Windows 10のライトテーマは特に夜の室内などではまぶしい雰囲気もあるのですが、逆に周囲が明るい状況では判読性が良くなりそうな感じです。
スクリーンショット採取機能の強化
「拡張スクリーンショット採取アプリ」的な機能を持ちつつある「切り取り & スケッチ」アプリですが、そちらにも機能強化が行なわれます。
ウィンドウ単位でのスクリーンショット採取が出来るようになります。
他にも採取したSSの縁取りをしたり印刷関連の機能強化も入る予定です。
Cortanaと検索枠の分離
今の正式版Windows 10ではスタートボタンの横にCortanaと検索機能呼び出しが一緒になった枠が用意されています。
これがどうやら次期バージョンでは分離されることになりそうです。最新プレビュー版ではCortana起動用の専用ボタンが用意され、入力フォームは検索専用になっています。
その他のややマニアックな機能も追加・改善
他にもより細かな、マニアックなところまで踏み込む設定や機能にも改善が行なわれます。
なぜか機能強化が再開されているメモ帳では対応する文字コードが拡張され、かなり本格的なマルチコード対応エディタになりました。
改行コードのLinux系、Mac系テキストファイルへの対応とも合わせ、Windows 10標準機能のみでのWSL環境などのサポート範囲が広がっています。
コンソール関連では、VT100ターミナルなどの機能のエミュレート範囲が広がりそうです。Linuxのコンソールで実装されていた機能がそのままWSLやPowerShellに移植可能になります。
タスクマネージャーの詳細表示の内容が拡張されて、それぞれのアプリが高DPI環境に対応しているかどうかの確認が行えるようになります。
デジタルカメラで撮影したデータのうち、イメージセンサーの情報を生のまま保存した「RAW形式」と呼ばれるデータへのサポートが強化され、今までサムネイル表示やフォトアプリで大きなサイズで表示できなかったカメラへの対応が広がります。
今までほぼ使い途のなかったオフィスアプリがかなり改善され、オフィスソフトやOneDrive上のOffice Online機能などへのポータルの役目を果たすようになりそうです。
そろそろ次期リリースへのまとめの作業へ
バージョン番号でも示されているとおり、予定通りに作業が進行すれば2019年3月中には次期大規模アップデートの内容はFIXされ、4月頭ぐらいから提供が開始されるはずです。
このためそろそろプレビュー版の方でも次の大規模アップデートのまとめ・締めの流れが始まるはずです。実際インサイダープレビュー参加ユーザーを巻き込んでのバグ出し大会「バグバッシュ」も始まっています。
正式版リリースまであと2ヶ月ちょっと。どんなカタチに仕上がるか、楽しみに待ちたいところです。