止まることなく進む次期Windows 10の開発。見えてきた19H1向け機能
Windows 10の2018年秋の大規模アップデートの配信は再開されましたが、リリースされてから発覚したトラブルとしては最も重大と言えるものが出る形になってしまいました(現在は修正済み)。
ですがその流れとはほぼ関係なく、次の大規模アップデートに向けての開発作業はどんどん進行しています。タイムライン、クラウドクリップボードのような非常に大きなものはまだ出てきていませんが、かなり多岐にわたる新機能が既にプレビュー版で体験可能です。
最新のインサイダープレビューの状況をちょっとまとめてみます。
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UI改善
Windows 10はかなり大胆に基本的なユーザーインタフェースにも手を入れてきます。そろそろ大筋は固まった感触がありますが、少しずつより細かなところまで修正の手が回るようになってきました。
次のリリースに向けてこんな所の修正が行なわれています。
アクションセンター改善
今になってみてみるとWindows 10で改善されたユーザーインタフェースの中では最も大きい改善かもしれないアクションセンター、この使い勝手を向上させる修正が行なわれることになりそうです。
最新のプレビュー版ではいくつかの新しい要素が導入されています。
一つはアクションセンター下部に画面の明るさコントロール用のスライダが設けられたこと。
今までもアクションセンターではボタンで大まかな明るさの調節ができましたが、より詳細な調整がもっと直感的に出来るようになります。
アクションセンターのボタン編集が容易に
今までアクションセンターに表示するボタンの選択や配置の変更は、一度、設定アプリを通して行なう必要がありました。この操作が直接アクションセンターから行えるようになります。
アクションセンターの右下に「編集」のボタンが設置され、
ここから直接アクションセンターのボタンのカスタマイズが行えます。
Windows Update改善
Windows Updateの適用を、簡単に一時延期するためのボタンが設けられます。
さらに設定アプリのWindows Updateのページの表記が整理されて、アクティブ時間の変更などが行ないやすくなります。
MS-IMEの設定も設定アプリに集約
Windows 10では基本すべての設定は設定アプリに集約していく方向です。実際にはまだまだコントロールパネルが必要なものが残っていますが、少しずつ設定アプリ側でカバーする範囲が広がり続けています。
次期大規模アップデートでは、マイクロソフト謹製のかな漢字変換システムのMS-IMEの設定も設定アプリに吸収される予定です。
タスクバーのIMEのアイコンを右クリックしてメニューを出すと、「設定」の文字の前に設定アプリを示すギア形のアイコンがついていることが分ります。
このコマンドを使うとMS-IME専用のウィンドウが開くのではなく、設定アプリのMS-IMEのページが開くよう修正が行なわれています。
サウンドミキサー削除
Windowsで以前から使い続けられてきた、アプリごとに音量などをコントロールできるサウンドミキサーが遂に役目を終えることになりそうです。
Windows 10インサイダープレビュー版の19H1ではサウンドミキサーの機能がほぼそのまま設定アプリに移管されています。
タスクバーの音関係の設定を行うアイコンから「音量ミキサー」を選ぶと、設定アプリのサウンドミキサー相当の機能を調節するページが開きます。
サウンド回路が複数あればアプリごとに音の出力先を変更することも可能なようで、例えばシステム音と音楽再生アプリの音の出る先を切り分けることも出来るようになります。
音楽をシステムのエラー音などに邪魔されることなく聞くことが可能になる訳です。
集中モード強化
特定の時間帯やプレゼンテーションの実行中などにシステムの通知等々を抑制できる集中モードの機能が強化されます。
主にゲームや動画の視聴を意識したものだと思われますが、あるアプリを全画面モードで使用しているときに自動でシステム通知の無効化が可能になります。
設定自体も整理が進んで分りやすくなっています。
Windows Helloが設定しやすく
設定アプリのサインインオプションのページが整理されてWindows Helloなどの設定が行いやすくなります。
生体認証に関しては対応デバイスが接続されているかどうかが表示に反映されるようになりました。必要な認証用のデバイスがない場合にはその旨が赤字でわかりやすく表示されます。
切り取り & スケッチアプリ強化
将来的にはSnippingツールを置き換えると思われる切り取り & スケッチアプリが強化されています。
スクリーンショットを採取したデータを保存しないままアプリを終了させようとすると確認のダイアログが出るようになりました。
また、切り取った領域に枠線を付けるとか、ウィンドウ単位でのスクリーンショット採取も可能になる予定です。これらの機能はプレビュー版導入ユーザーでもすべてのユーザーが受け取れている訳ではなく、ABテストが行なわれている最中のようです。
現在は50%程度のユーザーに先行配信されているとのことです。テスト結果に問題がなければ全ユーザーに順次配信の予定です。
ライトテーマ実装
某Webメディアでは「時代に逆行する」とも書かれた画面の雰囲気を思い切り明るくするタイプのテーマ、「ライトテーマ」が実装されています。
どこかAndroid系のスマートフォン的な雰囲気が少しあるテーマかもしれません。
アイコンデザインにもよりますが、むしろこちらのほうがタスクバーのアイコンなどの視認性は良い気もします。
スタートメニューも微調整
とても細かいところですが、スタートメニューの設定アプリアイコンやシャットダウンのアイコンがある領域、そこにポインタを重ねると説明の日本語が表示されるようになりました。
わかりやすい表示ですが、まだこの表示を出すアニメーション処理のきっかけなどには改善の余地がありそうな感触です。一部操作によっては不自然な動きをする部分も残しています。
付箋Ver.3.1でよりダークテーマがダークに
プレビュー版では付箋アプリもバージョンが先行していて、バージョン3.1がテスト中です。
バージョン3.0でダークテーマが実装されましたが、3.1ではよりそれらしい色合いがテストさられています。
戻ってこないSets
ちょっと気になるのはSetsです。まだプレビュー版の方にも戻ってきていません。この感じだとまず間違いなく2019年春の大規模アップデートには間に合いませんね。
もしかするとSetsというインタフェース自体が一度リセットされてゼロからの見直しが行なわれているのかもしれません。
手元で試してみた感じでは大きな物理サイズを持つディスプレイでの使い勝手は正直なところ微妙でした。広い画面なら複数のウィンドウのまま別々に開いておく方が便利です。
ただ、モバイルノートパソコンなど物理的にサイズの小さな画面で複数のアプリを同時使用する際には、なかなか効率の良いインタフェースだと感じました。
より洗練された形で戻ってきてくれることも期待したいところです。