DELLからRADEON搭載Coreプロセッサ採用のXPS 15 2-in-1登場
昨年末にインテルから衝撃のニュースがもたらされました。
第8世代のCoreプロセッサに、CPU部門ではガチでシェア争いをしているAMDのGPU、RADEONを載せた新機種の開発、販売を行なうとの発表を行なったのです。
2018年のCES会場ではこのプロセッサ「8th Gen Core Processors with RADEON RX Vega M Graphics」を採用したノートPCなどが何機種も実動デモを行ないました。
そんな中の1台がDELLのXPS 15 2-in-1です。
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8th Gen Core Processors with RADEON RX Vega M Graphics
CPUにはミドルクラス相当ぐらいの最新アーキテクチャのRADEON、Vegaシリーズのカスタム版を載せています。
CPU部と完全に統合されている訳ではなくパッケージ内で「接合」されているだけですので、現代的な水準では「統合GPU」とは呼びにくい微妙なポジションになります。
CPU部とはPCI-E x8相当のパッケージ内インタフェースで結ばれています。
CPU部は高性能ノートPC向けの「Hプロセッサ」と呼ばれるレベルに相当する、リアル4コアチップが使われています。
加えて統合GPUで性能のボトルネックとなるVRAMアクセス対策に、広帯域メモリであるHBM2を4GB搭載しています。
搭載されるRADEON RX Vegaは下位機種には1,280SP相当の演算ユニット、上位機種では1,536SP相当の結構な規模の演算ユニットを持っています。動作クロックも1GHz以上と十分に高速です。
このような高性能な構成のためTDPはかなり大きく、上位機種では100Wに達します。DELLのXPS 15 2-in-1ではGPUが小規模な方のTDP 65Wのチップを採用しています。
おもしろいことにこのチップはインテル製の統合GPUも搭載しています。
RADEON側を止めてインテルのGPUを使うことで省電力動作が可能です。加えてインテルGP`Uに内蔵されている動画のハードウェアエンコーダの活用も出来る仕組みです。
スペック
CPU+GPUにはTDPが65WのCore i7-8705GまたはCore i5-8305Gを搭載します。
Core i7の方のCPU部は定格クロック3.1GHz、ブースト時4.1GHzでの動作が可能です。Core i5は定格2.8GHz、ブースト時3.8GHzで、こちらでも十分に高速ですね。
つい数年前までのデスクトップPCを超える性能があります。
メインメモリは8GBまたは16GB。ストレージはSATA3接続の128GBのもの、256GB〜1TBのPCI-E接続のものが選択出来ます。
インタフェースは基本全てUSB Type-C形状に統一されていてThunderbolt3にも対応。さらに電源供給もUSB PDを利用します。
製品名から分かるとおり、液晶パネルは15.6型。Adobe RGBの色域に100%対応する4K液晶と、sRGB 100%対応のフルHD液晶が選択可能です。
液晶部を360度フリップさせてタブレット的に活用できるタイプの2in1 PCに仕上げられています。
トータルのTDPが65Wに達する統合CPUを採用しながら本体の最大厚は16mmに抑えられていて、フットプリントの大きさと合わせ非常に薄い印象になるPCとなりそうです。
その代わり金属筐体であることも合わせ、重量は約2kgとモバイル用途にはかなり厳しい重量になります。
大容量バッテリーと巨大なACアダプタ
XPS 15 2-in-1には75Whの大容量バッテリーが内蔵されていて、最大15時間ものバッテリー駆動が可能です。
これは間違いなくRADEONのほうを止めた場合の数値です。もし、3DゲームなどでRADEONまでフル稼働させたら、恐らくこの大容量バッテリーでも1時間と持たないでしょう。
そういったダイナミックな性能と省電力性能の変化度合いもこのPCの特徴かもしれません。
3Dのゲーミングベンチマークでも従来の水準を軽く超える性能を叩き出しCPU性能もかなり高いので、モバイルも可能なグラフィックワークステーションとしても、ゲーミングノートPCとしても使えるユニークなマシンになりそうです。
アメリカでは4月ごろ、1,300ドルぐらいからの価格帯での発売となります。