ブラウザに音楽プレイヤーも統合。独自路線を行くブラウザ「Opera」
Windowsのブラウザシェアでは今はGoogleのChromeがダントツの数字を誇ります。世のネットのサービスもChromeを基準とするケースが増えています。
そのあたりの兼ね合いからマイクロソフトのEdgeもHTMLなどの解釈をするエンジ部分をChromeと共通のものに変更しました。
ほぼChrome一強と言っていい状態のPC向けブラウザですが個性あるブラウザもいくつか作られ続けていて、それぞれに根強いファン層も存在します。そんなちょっと他とは違うブラウザの一つが今回取り上げる「Opera」です。
最新バージョンではSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスのプレイヤー機能を統合しました。
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WEBブラウザ「Opera」とは?
実はOperaは歴的にはChromeよりもずっと長い歴史を持つブラウザです。一般公開されていないバージョンまで含めると、現存するブラウザの中ではIEに次ぐほどの歴を持つソフトウェアです。
また、2000年には既にタブ機能を搭載。さらにマウス操作による進む・戻るなどの機能を実行可能な「マウスジェスチャ」機能も恐らく世界で最初に搭載したブラウザなのではないかと思います。
最近のブラウザの多くはWebページ表示の基本機能のみに絞り込み、ユーザーインタフェース面でもページ表示部分を最大化するような方向で作り込まれています。
Operaはこの流れに逆行するような機能の拡張を行なっているユニークな製品です。積極的にサイドバーを活用する形で使い勝手の工夫を続けていく開発方針のようです。
元々Operaはメールクライアントもブラウザ側に統合していて、タブの一つにメーラを表示することが出来ました。そういった観点では最近のOperaの開発の方向性はこのブラウザらしさを表すものと言えるのかもしれませんね。
ちなみに著者はOperaのバージョン6時代、まだ有償のブラウザだった頃からメインブラウザとして使い続けていたりします。
新機能、音楽プレイヤーの統合
今回Operaがメジャーバージョンアップで取り込んだのは、音楽ストリーミングサービスのプレイヤー機能です。
対応しているサービスはSoptify、Apple Music、YouTube Musicの3つ。
サイドバーの機能ボタンを有効にしている場合には、ボタン一発で呼び出し可能です。
利用したいストリーミングサービスのログイン情報を設定しておけば、すぐに再生画面をサイドバーに呼び出し可能です。
音楽再生中にYouTubeの動画を再生しようとした場合には、音楽が一時的にミュートする気配りも実装されていたりします。
ちなみにまだ微妙なバグも残っていて、他のサイドバーの機能をピン留め(=固定表示)していると、プレイヤーのサイドバーが表示されません。(バージョン:72.0.3815.378)
その他の「Opera」の特徴
Operaは他にもなかなかユニークで便利な機能を搭載していますので、そのあたりもザッと説明しておきます。
Chrome互換
新Edgeと同様にOperaもHTMLなどの解釈を行なうエンジン部分はChromeと同じものを採用しています。このためChromeを基準に作られているWebページを問題なく表示できます。
ブラウザのID(UA:User Agent)をChromeに偽装する機能もあります。が、完全ではなく、ごく一部ですが、サポート対象外のブラウザとしてはじかれるケースはあります。
拡張機能もChromeと互換性があり、
基本すべてのChrome拡張機能の利用が出来ます。
ちなみに上記SSはOpera用の拡張機能で、Chromeウェブストアの「Chromeに追加」のボタンを「Operaに追加」にオーバーライドさせています。
マウスチェスチャネイティブサポート
Operaは今でもずっとマウスジェスチャ機能をネイティブでサポートし続けています。拡張機能等の追加は不要です。
利用可能な機能も結構多彩になりました。
ワークスペース(タブのグルーピング)機能
大量のタブを開きっぱなしにしてブラウザを利用するユーザーにはタブの整理をしやすくなる機能、「ワークスペース」が搭載されています。
タブのグルーピング機能というか、「タブのタブ」みたいなイメージの機能でしょうか。
開いているジャンルなどでWebページ・タブの集合を複数に分けることが出来ます。
メッセンジャー機能の統合
Operaではメジャーないくつかのメッセンジャーサービスのクライアント機能を統合しています。
ツイッターやインスタグラム、FBメッセンジャーをサイドバーから利用できます。
スマートフォン側のブラウザとの連携
Operaは「FLOW」という機能でスマートフォンのOperaと見ているページの共有が出来ます。
この際、ネットのサービスのアカウントは不要で、PC側のOperaとスマホ側のOperaをほぼ直接リンクできるようになっています。
スマホで通勤時に気になったニュースをFLOWに送っておき、自宅のPCでじっくり調べる、というようなワークフローを簡単に実行できます。
動画再生部分の独立表示
Operaでは対応している動画サービスなら、動画表示部分のみをブラウザから剥がして任意の場所に置くことが出来ます。
他のブラウザも対応し始めていますが、この機能もOperaがかなり早い段階から実現していたものです。
他の作業をしながら横目で動画をチラチラ眺めるような使い方にとても便利です。ブラウザの枠がなくなる分、ちょっとした空きスペースに動画のウィンドウを置いておきやすくなります。
ちょっと気の利いた機能も
ブラウザ画面上で文字列の選択を行なうと、そのあと使われそうな代表的な機能がポップアップするちょっと気の利いた機能も付いていたりします。
普通の単語だと、検索とコピー。
URLだと、Webアドレスに移動とコピー。
ちなみにチョイスしたアドレスのページはきちんと別タブで開きます。
「Opera」のダウンロード
Operaは同社のホームページからダウンロードできます。
Windowsの他にMacOSやLinuxでも利用可能です。